ChatGPTとは

ChatGPTとは、チャット形式で自然な対話ができる人工知能ツールです。サンフランシスコを拠点とする非営利法人であるOpenAI Inc.によって開発されました。
質問をすると自然な言語で答え、数学のように正解が決まっているものだけでなくマーケティングのアイデア、Web記事の構成など、ビジネスやクリエイティブな活動にも役立つ回答が得られます。
ChatGPTはインターネット上の膨大なテキストデータを学習することで、自然な会話形式の受け答えを可能にしました。日本語にも対応しており2022年11月のリリース以降、日本でも多くのユーザーが利用しています。
ChatGPTはChromeやSafariなどのブラウザから利用でき、メールアドレスと電話番号を登録すれば無料で使える手軽さも特徴です。また、混雑時にもスムーズに利用できたり新機能を優先的に利用できる有料版も用意されています。
ChatGPTはECサイトに活用できる?

ChatGPTができることは多岐にわたるため、指示内容によってはECサイト運用にも活用できます。ここではECサイト運用時のChatGPT活用方法を9つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
顧客対応
顧客からの問い合わせ窓口にチャットを活用している場合、その対応をChatGPTに任せられます。迅速かつ自然な回答を生成できるため、人間が文章を打ち込むよりも素早い対応が期待できます。AIなら24時間365日の対応も可能なので、顧客満足度を高めながら従業員の負荷を減らせるでしょう。
チャット対応だけでなく、ECサイトからのお知らせの文章や取引先へのメールの下書きなどの作成も可能です。これらは人間が一から作成するとある程度の時間がかかりますが、ChatGPTで下書きを作成して必要な部分だけ人が手を加えるようにすれば、格段に効率が良くなるでしょう。
商品説明文の作成
ECサイトの商品説明欄に記載する文面や、SNSに投稿する宣伝の文章なども作成できます。商品の特徴や特にアピールしたいポイントなど、前提条件を指定して文章の作成を指示すれば、そのまま掲載しても違和感のない商品説明文を生成してくれることもあります。
「箇条書き」「300字以内」「カジュアルな口調」といった条件の指定も可能です。自社サイトのテイストや顧客層に合わせた文章を作成できます。取り扱う商品が多いほど商品説明文の作成に手間や時間がかかるため、ChatGPTの活用でECサイト運営の大幅な効率化が見込めるでしょう。
FAQの自動生成
ChatGPTは文章を一から生成するだけでなく要約も可能です。そのため、これまでの問い合わせ履歴のテキストデータがあれば、それらを要約してFAQの作成もできます。よくある質問の回答をECサイトに掲載しておけば、問い合わせの件数を減らして業務負荷を減らせるでしょう。
また、ChatGPTと連携することで社内マニュアルからFAQを自動生成するサービス「PEP GPT」が2023年3月にリリースされました。このサービスを使うとPDFやテキスト、音声ファイルなどから質問と回答を自動で生成してくれます。一からFAQを作るのは煩雑ですが、このようなサービスを使えば簡単にFAQの作成が可能です。
参考:「PEP AI-FAQ」
商品のデータ分析
商品の売れ行きや仕入れに関するデータをChatGPTに入力し、そこから考えられる傾向や今後の対応案などを出力するといった活用方法もあります。
最終的に判断するのは人間ですが、大量のデータの要約や対応案の提案を依頼するだけでも、業務効率化につながるでしょう。特に「毎日の業務が忙しく、商品のデータ分析にあまり時間がかけられていない」という方は、ChatGPTの回答をヒントにすると良いでしょう。
メールマガジンの作成
メールマガジンの作成もChatGPTが得意とする作業のひとつです。季節ごとのお知らせや新商品の案内など、内容やポイントを指示すると自動でメールマガジンの文章を生成できます。そのほかリピート購入特典の案内、既存顧客への配信メールなどの作成にも役立つでしょう。
メールの本文を作成するだけでなく、メールのタイトルや構成の作成も可能です。構成をChatGPTで生成し、実際の文章は人が考えるような運用もおすすめです。ChatGPTは文章の生成が得意なAIであるため、各種メール作成は活用しやすいでしょう。
レコメンド
ChatGPT単体はテキストを使って受け答えをするツールですが、先述のFAQ自動生成ツールのようにChatGPTを使ったサービスは次々とリリースされています。
例えばShopify用のチャットボットアプリ「SmartPick」は、ユーザーが悩みを入力すると最適な商品を自動でレコメンドします。
参考:「SmartPick ‑ AI Chatbot」
このアプリ以外にも「顧客の購入履歴から関連商品を抽出しておすすめ商品を紹介する」といったものなど、今後もさまざまなサービスの登場が期待できるでしょう。
注文処理
ChatGPTに注文処理の流れを学習させてECサイトと連携すれば、注文内容の確認や処理の自動化も可能です。チャットボットにテキストで注文内容を入力できるようにしておけば「顧客から文章で注文を受けて支払い情報を取得し、自動で注文処理を進める」といった使い方も期待できます。
マーケティング
ChatGPTにデータ分析を任せると、購入履歴から顧客それぞれの趣味・嗜好に合わせたマーケティング施策の検討にも役立ちます。パーソナライズされたサービスやコンテンツをユーザーに届けることで、顧客満足度や売上の向上が期待できるでしょう。
顧客数が多くなるほど一人ひとりに合わせたマーケティングは難しくなるため、ChatGPTのようなAIを使った分析の効率化はおすすめです。
ページ・コンテンツ生成
Webデザインなどの知識があれば、ChatGPTに適切な指示を出すことでECサイトの設計やデザインも可能です。
サイトの用途や取り扱う商品などを細かく指定して質問すれば、画面遷移やサイトに用意すべきコンテンツ、適したカラーコードなどの提案を依頼できます。また、ブログ記事などECサイトに必要なコンテンツの生成もChatGPTに任せられます。
ChatGPTの始め方

ChatGPTを利用するには以下の手順を踏みましょう。基本的に画面の案内に従うだけで、簡単に利用を始められます。
- 1. ブラウザからChatGPTのページにアクセス
- 2. 「Try ChatGPT」を選択
- 3. 「Sign up」を選択
- 4. メールアドレスを入力
- 5. ChatGPT用のパスワードを決めて入力
- 6. 入力したメールアドレス宛てに届いた認証メールに記載のURLにアクセス
- 7. 氏名と生年月日を入力
- 8. 携帯電話の電話番号を入力
- 9. SMSに届いた認証コードを入力
上記の手順によって、ChatGPTにログインできるようになります。メールアドレス以外に、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントでもログインが可能です。
ChatGPTのアカウントを登録すると次回移行はメールアドレスとパスワードの入力でログインでき、ログインするとこれまでのチャットの履歴が見られます。
ChatGPTをECサイト運営に活用する注意点
ChatGPTを活用するうえで理解しておかなければならないのが、ChatGPTは誤った回答をしたり自然なコミュニケーションがとれなかったりするケースがあることです。
そのまま使用できるような文章が生成されるケースもありますが、特にECサイトやメールなど外部に発信するものに活用する際は、必ず内容を確認するようにしましょう。
またChatGPTが生成する文章は、与える指示によって大きく変わることもポイントです。指示や質問は明確にし、前提条件や守ってほしいルールなどがある場合はそれも明記しましょう。
くわえて、情報漏えいのリスクがあることにも注意が必要です。入力した内容はOpenAIのデータベースに保存される可能性があるため、顧客や従業員の個人情報や重要な機密情報などの入力は控えるのが良いでしょう。データ分析に利用する際は個人情報を省いたり、ダミーデータを用いたりする工夫が必要です。
ここまで注意点を述べましたが、ChatGPTをはじめAI業界は日々進化しています。そのためアップデートにより上記のような課題が解消されたり、より使いやすい新しいサービスが登場したりする可能性も十分にあるでしょう。
EC業界におけるChatGPTの今後
EC業界でもChatGPTの活用は進んでおり、カラーミーショップやShopifyなど大手ECサイト構築・運営サービスでは、AIをサイト運営に活用できる機能をすでに提供しています。
カラーミーショップでは、商品設定の画面からSNS投稿用の宣伝文を自動生成できる「カラーミーAIアシスタント(β)」の無料提供を始めました。Shopifyには「Shopify Magic」という機能があり、ECサイトで使用する商品説明やメールの件名などのテキストの候補をAIで自動生成できます。
このようにECサイト運営を効率化できるAIツールの開発は進んでおり、今後も新たな機能が登場する可能性があります。ChatGPTを含むAIはEC事業者にとって、これからさらに役立つ存在になるでしょう。
今後の流れに素早く適応できるように、今からChatGPTや上記のようなECサイト構築・運営サービスで提供されるAI機能に触れておくことをおすすめします。
現状、ECサイト運営の効率性を高めるならEC関連サービスとChatGPTの併用がおすすめ

現段階のChatGPTでもECサイト運営に活用できるシーンは多くありますが、現状は課題も残っているのが実情です。そのためより効率的なECサイト運用を目指すなら、前項のようなEC関連サービスとの併用がおすすめです。
ECサイト構築・運用サービスはECサイトを簡単に作成でき、AI機能があるサービスを選べば専門知識がなくてもECサイト上でAIを活用できます。
効率よくECサイトを運営するなら、EC関連サービスが提供しているショッピングカートやマーケティング機能を活用しつつ、SNSの投稿やメール、商品説明文の生成にChatGPTを使う、といった方法が良いでしょう。
おすすめのECサイト構築・運営サービス

最後に、AIの機能を使えるおすすめのECサイト構築・運営サービスを2つ紹介します。これからECサイトの構築を始める方や、今のECサイト運営に手間を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
カラーミーショップ
低コストで簡単にECサイトを構築・運営したい方におすすめなのが、カラーミーショップです。
専門知識がなくても簡単にECショップを作成でき、構築したECサイトはタブレットやスマートフォンのアプリからも管理できます。サービス提供から17年、総流通額は1兆円以上と、十分な実績があるサービスです。
カラーミーショップの特徴は、カート画面のページ遷移をできるだけ抑えている点です。ユーザー目線で購入完了までの導線が設計されているため、途中離脱を防いで購入率の向上が期待できます。
先ほど紹介したようにSNS投稿文をAIで自動生成する機能「カラーミーAIアシスタント(β)」が提供されているため、ECサイト運営で積極的にAIツールを活用したいと考えている方にもおすすめです。
カラーミーショップの詳細は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
カラーミーショップとは?登録方法やおすすめの決済業者も紹介
Shopify
Shopifyは拡張機能の豊富さや、海外展開のしやすさなどが魅力です。
基本機能にくわえてアプリを使った機能拡張が可能で、8,000以上のカスタマイズアプリを使ってECサイトにさまざまな機能を導入できます。例えば、TikTokやAmazonなど利用者の多いさまざまチャネルとの連携も、カスタマイズアプリを使えば可能です。
世界170カ国以上で活用されており、ShopifyによるECサイトは世界中で数百万にのぼる規模の大きさも特徴です。海外発送や多言語に対応しているので、海外展開を見据えている事業者にもおすすめします。
先述の「Shopify Magic」を使えば、商品説明やメールの件名などのテキストをAIで自動生成できます。ShopifyでECサイトを運営するならAI機能もぜひお試しください。
Shopifyについては、以下の記事でも紹介しています。
Shopify(ショッピファイ)とは?サイトの作り方や決済方法も
ECサイトの決済機能はGMOイプシロン
ECサイトの構築・運営に役立つサービスを紹介しましたが、ECサイトの運営に欠かせないのが決済機能です。ECサイトは実店舗のように対面で支払いできないため、オンラインで決済できる機能を導入する必要があります。
ECサイトへの決済機能の導入には、決済代行業者のGMOイプシロンがおすすめです。簡単に豊富な決済機能を導入でき、ECサイトで近年人気が高まっている後払い決済にも対応しています。
GMOイプシロンはShopifyとの連携が可能で、カラーミーペイメントなどEC関連サービスに特化した決済機能も提供しています。多くの導入実績がありサポートの手厚さも魅力なので、ECサイトの決済機能にはぜひGMOイプシロンのサービスをご活用ください。
下記のリンクから、GMOイプシロンや決済代行サービスについて詳しく紹介する資料をご覧いただけます。導入する決済代行サービスを迷っている方や、決済代行サービスについて詳しく知りたいという方は、ぜひ資料をご確認ください。