Shopify(ショッピファイ)とは

ShopifyはECサイトを簡単に構築・運用できるサービスです。Shopifyを使ってECサイトを作成する場合、サーバー構築やWebデザイン、プログラミングなど、専門的な知識は必要ありません。
Shopifyのアカウントを作成し、管理画面からサイトテーマの設定や商品の追加を行うだけでオリジナルのECサイトが完成します。
Shopifyは170カ国以上で活用されているサービスです。Shopifyを使って開設されたECショップは世界中で数百万にのぼり、日本でも多くの企業や個人がShopifyを利用しています。
詳しくは後述しますがShopifyにはさまざまな機能があり、開設後も効率的にECサイトを運営できます。カスタマイズによって自由度の高い運用ができるのもメリットです。
Shopifyの主な機能

Shopifyでは、ECサイトを効率的に運営するためのさまざまな機能を提供しています。主な機能には次のものが挙げられます。
- さまざまなチャネルと連携
- ショッピングカート機能
- 顧客や商品の管理
- マーケティング
- 分析機能
- 実店舗で役立つ機能
上記6つの機能についてそれぞれ見てみましょう。
さまざまなチャネルと連携
Shopifyは大手マーケットプレイスやSNSなど、さまざまなチャネルと連携して商品を販売できます。連携可能な主なチャネルは以下のとおりです。
- Amazon
- 楽天市場
- TikTok
- YouTube
- Facebook など
例えばShopifyとInstagramを連携すると、Instagramの投稿に付けた商品ごとのタグからShopifyの販売ページへ誘導できます。消費者動向調査では、Instagramを通して商品を知った80%のうち70%の方が商品を購入したことがあると回答しました。
投稿から商品に興味をもったユーザーがスムーズに販売ページまでたどり着くので、高い訴求力が見込めます。ECサイト運営においては集客の難しさが課題ですが、Shopifyの連携機能を使えばさまざまなチャネルからECサイトへの流入が期待できるでしょう。
ショッピングカート機能
ショッピングカートはECサイトに必須ですが、Shopifyのショッピングカートは以下のような機能を備えています。
- 無料SSL証明書
- 多数の決済手段を導入できる
- 他言語への対応 など
SSL証明書を無料で利用でき、Shopifyのすべてのコンテンツや取引情報は高いセキュリティで保護されています。決済方法の種類の多さも特徴で、クレジットカードやPayPal、ビットコインなどにも対応しており、さまざまなニーズに応えられるでしょう。
これらのほかにも、カートに入れたまま放置された商品があることをユーザーに自動でメール送信する機能や、居住地に基づいた自動課税機能なども利用可能です。
顧客や商品の管理
Shopifyは顧客管理や商品管理の機能も充実しています。新規顧客からの注文があると自動でアカウント情報がお客様リストに追加されるようになっており、効率的に顧客情報を管理できます。顧客をグループに分けて、マーケティングに役立てることも可能です。
商品の在庫管理に関する機能としては、在庫数の追跡や在庫数不足時の自動販売停止などがあります。別途アプリをインストールすれば、在庫数が少なくなった際に通知を受け取ることも可能です。
マーケティング
Shopifyのマーケティング機能には、以下のようなものがあります。
- SEOツール
- 割引管理
- ギフトカードの設定 など
SEOツールは、検索エンジンに最適化する機能です。検索エンジンで上位に表示されるよう、タグの設定などをサポートしてくれます。割引管理とは、特定の顧客に対してクーポンコードを発行したり「複数購入で1品無料」といったプロモーションを作成したりできる機能です。
またShopifyではギフトカードの設定も可能です。ギフトカードはECサイトで販売するほか、販促のために顧客にプレゼントしたり、返金対応に活用したりできます。このように、多彩なマーケティング機能を活用した販売促進が可能です。
分析機能
Shopifyには「ストア分析」という機能があり、以下のようなデータを確認できます。
- 販売合計額
- 平均注文単価
- コンバージョン率
- リピーターの割合 など
上記のようなデータは、ECサイトを運営するうえで欠かせない情報です。販売期間ごとの売上傾向を比較したり、売れ行きの良い商品・悪い商品を把握したりできるため、今後のショップ運営の方針を決めるのに役立ちます。
そのほか、顧客の流入経路や販売チャネルごとの売上も確認できるため、プロモーション施策の成果や自社に合ったチャネルの把握も可能です。
実店舗で役立つ機能も
ShopifyはECサイト運営ツールですが、実店舗で役立つ機能も提供しています。「Shopify POS」は対面販売に必要な機能を備えたPOSシステムで、iOSやAndroidのスマートフォン・タブレットにインストールするとPOS端末として利用できます。
実店舗とECサイトの両方を運営している場合にこの機能を活用すると、店舗で見た商品をECサイトで購入したり、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ったりといった購入方法も可能です。
Shopifyのメリット
Shopifyを活用すると、以下のようなメリットがあります。
- 低コストで簡単にECサイト運営を始められる
- 海外展開しやすい
- さまざまなアプリで機能拡張できる
ここでは、Shopifyのメリットを詳しく見てみましょう。
低コストで簡単にECサイト運営を始められる

Shopifyの大きなメリットは、低コストで簡単にECサイトを運営できることです。初期費用は不要で、月3,000円程度から利用を始められます。
ECサイトを自社で一から構築する場合、制作会社にサイト構築を依頼するなら多額の費用が必要です。また制作費を抑えるために自力でサイト構築に取り組む場合、多大な労力と時間がかかります。さらにWebデザインやプログラミングの知識やスキルが求められます。
Shopifyなら豊富なテーマを活用することで初心者でも簡単にECサイトを作成できるため、初期費用を抑えたい事業者にもおすすめです。
海外展開しやすい

冒頭で紹介したとおり、Shopifyは世界中で使われているサービスです。
海外発送や多言語にも対応しており越境ECに強いことから、海外展開しやすいメリットもあります。サイトの翻訳や通貨換算なども自動で行われるため、海外ユーザーにも問題なく自社のECサイトを利用してもらえるでしょう。
海外に商品を販売する場合は、ECサイト作成時に配送エリアとして希望する国や地域を設定してください。この作業だけで海外への販売に対応できます。
さまざまなアプリで機能拡張できる

Shopifyは基本機能に加えて、アプリを利用した機能拡張も可能です。ECサイトをカスタマイズするために豊富なアプリが用意されており、その数は8,000以上。例をあげると、先述したAmazonやTikTokなどとの連携にも、専用のアプリを用います。
販売チャネルの追加以外にも、ストアデザインのカスタマイズやメルマガ機能の追加、広告の配信など、あらゆる機能拡張がアプリの導入によって可能になります。
このように自由度の高いカスタマイズにより他社との差別化を図れるのも、Shopifyを活用するメリットのひとつです。
Shopifyのデメリット

メリットの多いShopifyですが、以下のようなデメリットもあるため注意しましょう。
- 場合によっては英語のスキルが必要
- Web制作の専門知識が必要な場合がある
- サポート体制が不十分
上記3つのデメリットについて、以下で解説します。
場合によっては英語のスキルが必要
Shopifyはもともとカナダに拠点を置く企業のサービスで、当初は英語でのみ提供されていました。現在は日本語にも対応しており、多くの機能は日本語でも問題なく利用できますが、一部機能の利用や最新情報の確認には英語での読解を要する場合があります。
特に、サードパーティ製のアプリは英語にしか対応していないものも見受けられます。使いたいアプリやデザインテーマが日本語対応していない場合、機能説明やレビューなどは英語で確認しなければなりません。
Web制作の専門知識が必要な場合がある
Shopifyに限らずECサイト構築サービスを利用する場合、高度な設定をするにはHTMLやCSSなどWeb制作の専門知識が必要になります。
デザインテーマをそのまま利用するのではなく、独自のカスタマイズを加えたい場合などには、専門知識がなければ対応は困難でしょう。
ただし、先述のとおりShopifyはテンプレートや拡張機能のためのアプリが豊富なため、専門知識がなくても十分高機能なECサイトを作成できます。
サポート体制が不十分
サポート体制が十分とは言い切れない点も、Shopifyのデメリットのひとつです。最近では以前よりも充実してきていますが「質問への回答が遅い」といった不満の声が上がることがあります。
「ECサイト運営が初めて」「Webの専門知識があまりない」といった事業者は、サポートを頼りたいタイミングもあるでしょう。その際、十分なサポートが受けられないリスクがある点は考慮しておかなければなりません。
ただしサポート体制は改善傾向にあり、今後ますます便利になる可能性もあります。
ShopifyでECサイトを構築する方法

ShopifyでECサイトを構築するには、大まかに以下の手順を踏みましょう。
- 1. アカウントを取得してストアを開設する
- 2. 販売する商品を登録する
- 3. ECサイトに必要なページを作成する
- 4. ECサイトのデザインを設定する
- 5. 販売時の詳細情報を設定する
はじめにShopifyのアカウントを取得します。公式サイトから「無料体験をはじめる」をクリックし、メールアドレスやストア名、URLなど必要な情報を入力すると、アカウントの取得とストアの開設ができます。
ストアを開設したら、管理画面から販売したい商品を登録しましょう。商品登録時には、以下のような情報を設定します。
- 商品名
- 説明文
- 価格
- 商品の写真や動画
- 色やサイズなどのバリエーション
- 配送方法 など
商品を登録できれば、お問い合わせフォームや特定商取引法に基づく表記など、ECサイトに必要なページを作成します。Shopifyならこれらのページも専門知識なしで作成可能です。
必要なページが揃えばストアのデザインを設定します。テーマは料金や業界、機能などを指定して検索でき、デモストアも確認できるため、自社のイメージに合ったものを探してみてください。テーマを選んだらストアに適用し、文字や画像を追加しましょう。
最後に、送料や決済方法など販売時に必要となる詳細情報を設定しましょう。決済方法は種類が多いため、必要なものを登録し忘れないように注意が必要です。
Shopifyの料金プラン
Shopifyには複数の料金プランがあり、基本的なプランは以下の3つです。
プラン | 月額料金 |
---|---|
ベーシック | 33ドル |
スタンダード | 92ドル |
プレミアム | 399ドル |
※決済はすべて選択した通貨で請求されます
ベーシックプランはストアの作成や発送、決済処理など、ECサイトに必要な機能がひと通り揃っているプランです。スタッフアカウントは2名分利用できます。
スタンダードプランはベーシックプランより詳細な分析レポートを確認でき、スタッフアカウントは5名分使えるなど、より高度にしたプランです。また、EC業務の自動化機能も利用できます。
プレミアムプランは、分析レポートをより使いやすくカスタムできる機能が追加され、15名分のスタッフアカウントが使えます。海外販売のための関税・輸入税の計算機能も利用でき、Shopifyのメリットを最大限に活用できるプランです。
またどのプランにも共通して、POSシステムや24時間体制のサポートが備わっています。そのほか、シンプルなストアが簡単に作成できるスタータープラン(月額5ドル)や、事業規模が大きい企業向けのShopify Plusプラン(月額2,000ドルから)も利用できます。
3日間の無料トライアル期間が設定されているので、まずは無料で使用感を確認してみましょう。トライアル期間終了後にあらためて希望のプランを選べます。
Shopifyの決済・取引手数料について

Shopifyの利用には、各プランの月額料金に加えて決済・取引手数料がかかります。クレジットカードの決済手数料はプランによって異なり、各プランの手数料は以下のとおりです。
- ベーシック:オンラインで3.4%、実店舗で2.7%
- スタンダード:オンラインで3.3%、実店舗で2.5%
- プレミアム:オンラインで3.25%、実店舗で2.4%
クレジットカードの決済手数料以外にも、決済時に外部サービスを使用した場合には取引手数料がかかります。取引手数料はベーシックプランでは2.0%、スタンダードプランは1.0%、プレミアムプランで0.5%となります。
ただし決済方法にShopifyペイメントを選択した場合、取引手数料はかかりません。
Shopifyペイメントとは
ShopifyペイメントはShopifyが提供する公式の決済サービスです。クレジットカードやApple Pay、Google Payなどの決済方法に対応しています。
Shopifyペイメントを利用するメリットは取引手数料が無料になるだけでなく、PCI準拠で安全性が高いことや、Shopifyによる注文や決済を一元管理できる点などが挙げられます。
さらに外部サービスを利用する場合、決済機能を実際に使えるようになるまで時間や手続きの手間がかかるでしょう。一方でShopifyペイメントはShopifyに登録後、管理画面で有効化するだけですぐに利用を始められます。
利便性やコスト面から考えても、Shopifyを利用するならShopifyペイメントの活用がおすすめです。
おすすめはShopifyペイメントとGMOイプシロンの併用
ShopifyでECサイトを開設する場合、Shopifyペイメントを利用することでスムーズに決済機能を追加できますが、それだけでは決済手段が限られてしまいます。
より利便性を高めるためには、GMOイプシロンを併用する方法をおすすめします。GMOイプシロンはさまざまな決済方法を一括で導入できるサービスで、Shopifyペイメントでは対応していないコンビニ決済や後払い決済、スマートフォンキャリア決済なども導入可能です。
GMOイプシロンもShopifyの管理画面から簡単に設定できます。またECサイトが未完成の状態でも、GMOイプシロンのフォーマットで審査できるため、スムーズにECサイト開設の準備を進められるでしょう。
近年は支払い手段が多様化しており、ユーザーによって利用度の高い決済方法が異なります。オンラインショッピングの決済に関する調査レポートでは「オンラインショッピング中に希望する決済手段がない場合、70%以上のユーザーが購入せずに離脱する」という調査結果があります。販売機会を逃さないためには多様な決済方法を用意しておくことが重要です。
Shopifyで簡単にECサイト運営を始めよう

Shopifyは専門知識がなくても簡単にECサイトを開設できるサービスで、世界中で利用されています。デザインテーマが豊富でさまざまな機能も拡張でき、独自性の高い高機能なECサイトを構築できます。
ECサイトへの決済方法の導入には、ShopifyペイメントとGMOイプシロンの併用がおすすめです。GMOイプシロンは、Shopifyペイメントでは対応していないコンビニ決済や後払い決済なども簡単に導入できます。特に後払い決済は近年人気が高まっているので、ぜひご活用ください。
Shopifyを利用する場合は、下記リンクのトップページよりアカウントを取得しましょう。
Shopify 公式サイト
また、GMOイプシロンの詳細については、下記のリンクよりご確認いただけます。
ShopifyへのGMOイプシロン導入|詳細はこちら
GMOイプシロンの資料はこちら
Shopify以外にもECサイト構築サービスは多々あります。日本製のECサイト構築サービスや、よりサポート体制が充実したサービスをお探しの方は、類似の他社サービスについて解説している以下の記事も参考にしてください。