Web3.0(Web3)とは

まずはWeb3.0がどのようなものなのか、Web3.0の概要や従来のインターネットとの違い、生まれた背景などを解説します。
Web3.0の概要とWeb3.0・Web3の違い
Web3.0は「次世代インターネット」「分散型インターネット」などと呼ばれる、比較的新しい概念です。従来のインターネットはプラットフォーマーと個人、もしくは個人間の取り引きに大企業の媒体を挟む必要がありました。Web3.0では大企業を介することなくユーザー同士で直接やりとりでき、より自由な通信が可能となります。
Web3.0は「Web3」と表記されることがあります。Web3は先ほど紹介した「分散型のインターネット」などを意味する言葉です。一方でWeb3.0は、もともと規格の統一などにより、Webサイトを人だけでなくソフトウェアにとっても理解しやすくすることを指していました。そのため「Web3.0とWeb3は別物では?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
Web3.0とWeb3は本来別の意味の言葉でしたが、現在では同じものとして使われることが大半です。省庁の資料などでもWeb3.0で統一されていることがほとんどであり、特別な注記などがない限り「Web3.0=Web3」という認識で問題ありません。
Web3.0とWeb2.0以前の違い

Web3.0より前のインターネット、つまり従来のインターネットは「Web1.0」や「Web2.0」と表現します。Web1.0は1990年代、普及し始めたころのインターネットを指します。Web1.0の時代はごく一部の企業や個人しか情報を発信しておらず、一方通行の通信が基本でした。
Web2.0は、2000年から2021年ごろまでを指します。SNSが普及したことで、誰でも簡単にインターネット上で情報を発信できるようになりました。Web2.0の時代に、現在のプラットフォーマーの代表であるGAFAM(Google・Amazon・Facebook・Apple・Microsoft)が登場し、インターネット上のやりとりに大きな影響を与えるようになります。
Web2.0以前は、GAFAMのような大企業が作ったプラットフォーム上でのコミュニケーションが主流でした。Web3.0では後述する「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を用いることで、大企業を挟まなくても安全なやりとりが可能になります。
Web3.0の仕組みとブロックチェーンについて
Web3.0の特徴である、個人間の安全な通信を実現するために不可欠な技術が「ブロックチェーン」です。
ブロックチェーンとは、ブロックという単位で管理されたデータを鎖のように連結させて保管する仕組みを指します。ブロックチェーンの特徴は同じデータを複数の場所で管理することであり、Web3.0が「分散型インターネット」と呼ばれるのもこれに由来します。
ブロックチェーンのメリットは、データ改ざんのリスクが極めて低い点です。同じデータを分散して管理しているため、たとえ1箇所のデータを書き換えたとしても、そのほかの場所に保存されたデータは書き換えられません。分散されたすべてのデータを改ざんすることは、現実的に不可能です。
また、データの改ざんを困難にするためにハッシュ値と呼ばれる文字列を各ブロックに書き込む仕組みとなっているのも、ブロックチェーンの安全性が高い理由のひとつです。
ブロックチェーンの技術は主に仮想通貨の取り引きなどに活用されていますが、ほかにも診療記録や服薬指導実績の管理など、医療分野をはじめさまざまな業界で活用され始めています。
Web3.0が生まれた背景
Web2.0以前のインターネットは、GAFAMのようなプラットフォーマーの影響力が大きく、「中央集権型」と呼ばれます。中央集権型では、個人情報が特定の企業に集約されることや、個人の表現が制限されてしまうことが懸念されていました。
そのような問題を解消できる手段として注目され始めたのがWeb3.0です。個人情報のような重要なデータが特定の企業に集中すると、情報流出や不正利用が起こったときの影響は甚大です。
またユーザーが、故意ではなかったとしてもプラットフォームのルールに違反してしまった場合には、アカウントが凍結されてサービスが利用できなくなるケースもあります。プラットフォームに依存しないWeb3.0なら、これらの心配はいりません。
2022年には経済産業省が「Web3.0(ウェブ・スリー)政策推進室」を設置するなど、政府も積極的にWeb3.0を推進する姿勢を見せています。Web3.0は今後ますます私たちの生活に近い存在となっていくでしょう。
Web3.0の特徴

Web3.0には以下のような特徴があります。
- 仲介組織を介さずに通信できる
- セキュリティが向上する
- グローバル対応したサービスを展開できる
上記3つについて、詳しく見ていきましょう。
仲介組織を介さずに通信できる
Web3.0は、P2P(Peer to Peer)と呼ばれる通信方式を使用します。P2Pとはサーバーを介さずに端末同士で通信する仕組みで、これによって仲介組織を介さずにやりとりできるのがWeb3.0の大きな特徴です。
Web2.0以前は、パソコンやスマートフォンから大企業のプラットフォーマーなどが運用するサーバーを経由して、各種サービスを利用する仕組みでした。一方、P2Pで通信するWeb3.0では、サーバーを経由せずにユーザーの端末同士が直接通信できるようになります。
仲介組織を介さずに通信できるようになると、プラットフォーマーの制限を受けることなく自由な発信が可能です。プラットフォームの利用に手数料を支払っている場合は、手数料が不要になることで経済的なメリットもあります。
セキュリティが向上する
Web3.0は暗号化したデータを複数の端末に分散して保管するため、セキュリティが向上するのも特徴のひとつです。ブロックチェーンの技術によってデータの改ざんを防止し、IDやパスワードの登録なしで安全にサービスを利用できるようになります。
Web2.0以前は、プラットフォームサービスの利用に個人情報の登録が必要でした。プラットフォーマーには膨大な数の個人情報が記録され、データの悪用や流出が起こるリスクに常にさらされていました。
Web3.0はそもそもプラットフォーマーに個人情報を集約する必要がないため、このようなセキュリティリスクを軽減できます。
グローバル対応したサービスを展開できる
Web2.0以前は、国やサービス提供企業によってサイトの利用を制限されるケースがありました。国によって提供されるサービスの内容が異なったり、サービスを利用できる国とそうでない国に分かれたりすることもあります。
Web3.0ではこのような規制がなくなり、誰もが自由に通信できることも大きな特徴です。国境に関係なく世界中のサービスを利用できる環境が整えば、真のグローバル化を目指せるでしょう。
例えばWeb3.0で注目されているアプリケーションのひとつに「DApps」があります。DAppsには世界中の誰もがアクセスでき、オークションやゲームなどさまざまなアプリが開発されています。このようなアプリの登場によって、グローバル対応のサービスを展開しやすくなるでしょう。
Web3.0を使った代表的な技術
すでにWeb3.0の活用を進めている技術や分野は多くあり、代表的なものとして以下の4つが挙げられます。
- NFT(非代替性トークン)
- DAO(分散型自律組織)
- DeFi(分散型金融)
- メタバース(仮想空間)
これらはどのような技術なのか、以下で解説します。
NFT(非代替性トークン)

NFT(Non-Fungible Token)とは、代替不可能な唯一無二の価値をもつデジタルデータのことです。
一般的なデジタルデータは簡単にコピーできてオリジナルデータの判別は困難ですが、NFTはブロックチェーンの技術を使ってデジタルアートや動画などに固有の価値を付けられます。オリジナルデータに固有のIDが発行され、もしデータがコピーされてもどれがオリジナルなのか判別が可能です。
アート・イラスト・写真・動画・音楽などさまざまな作品をNFT化できて、NFTを扱えるサービスを使えば誰でもNFT作品を販売できます。ニュースなどではたびたび、NFT作品が高額で取り引きされたことが話題になっています。
NFTについては以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
NFTとは?始め方やビジネス活用、購入・出品までわかりやすく解説
DAO(分散型自律組織)

DAO(Decentralized autonomous organization)は特定の管理者が存在しない、誰もが自由に参加・管理できる組織のことです。基本的に組織を運営するうえで何かしらの意思決定が必要となった場合には、メンバーの投票が行われます。DAOはブロックチェーン上に組織を作り、投票や提案には暗号資産を使うことがほとんどです。
常にメンバーの総意によって組織運営が進むため、透明性が高いメリットがあります。ブロックチェーンを用いる投票は不正が難しく、リアルタイムで取り引きや投票の状況がわかるため、メンバーが世界中にいるようなプロジェクトもスムーズに運営できるでしょう。
DeFi(分散型金融)

DeFi(Decentralized Finance)は、ブロックチェーン技術によって構築された金融サービスのことです。日本語では「分散型金融」を意味し、銀行や証券会社といった中央管理者なしで、ユーザー同士で安全に金融資産の取り引きが可能になります。
DeFiのメリットは、中央管理者を挟まないことで時間やコストの節約ができる点です。銀行や証券会社を経由する取り引きは入出金に時間がかかり、手数料もかかります。一方DeFiなら個人間で取り引きできるため、時間や手数料の大幅な削減が可能です。
DeFiで金融資産を取り引きするために必要な「ウォレット」はスマートフォンだけでもすぐに開設でき、海外の金融資産への投資も簡単に行えます。
メタバース(仮想空間)

メタバースは超越という意味の「Meta」と、宇宙という意味の「Universe」を組み合わせた言葉です。Web上に作られた仮想空間を指し、自分の分身となるアバターを操作してほかのユーザーとコミュニケーションをとります。
メタバースはゲームなどで使われるイメージが強いかもしれませんが、不動産の取り引きやアーティストのライブなど、あらゆるシーンで活用されています。ECサイトを運営している企業では、仮想空間に店舗を作って遠隔で接客するなど、ビジネス拡大のために活用も可能です。
今後VRゴーグルの軽量化や通信技術の進化などによって、メタバースの活用はさらに進むといわれています。
Web3.0が抱える課題
メリットが多く政府も推進しているWeb3.0ですが、以下のような課題もあるため注意が必要です。
- 法整備がまだ進んでいない
- トラブルがあっても自己責任
- 本格的な普及にはまだ時間がかかる
Web3.0は新しい概念のため、法整備が追いついていないのが現状です。今後どのような法律が定められるのか不明確な部分も多く、規制内容によってはWeb3.0本来のメリットが制限されることも考えられるでしょう。
また中央管理者が存在しないWeb3.0は、トラブルがあっても問い合わせる先がなく、すべて自分で対処しなければなりません。従来のWeb2.0ならプラットフォーマーに問い合わせれば対応してもらえるケースも多く安心して利用できましたが、Web3.0ではすべて自己責任です。
Web3.0はWeb2.0よりも自由度が高いのが魅力ですが、裏を返せば自己責任の範囲が一気に広がるということです。初心者を狙った詐欺などもあるため注意しましょう。
くわえて、法整備が追いついていないこともあり、Web3.0が世間に本格的に普及するにはまだ時間がかかると考えられています。日本語に対応していないサービスも多く、使いづらいと感じることもあるでしょう。
Web3.0が活用されている主な業界

現状Web3.0は、小売・EC業界やゲーム・音楽などのエンタメ業界などで主に活用されています。例えば、ECサイトを運営している事業者がメタバース空間に出店して商品を販売したり、アーティストがNTF化した作品を販売したり、さまざまな活用がされています。
上記以外にも、Web3.0はあらゆる業界で活用が可能です。先ほど紹介したとおり金融業界ではDeFiが注目されているほか、銀行や証券会社では従来の現金や株式にくわえて仮想通貨やデジタル資産の取り扱いを進める動きも見られます。
Web3.0のセキュリティの高さを活かして、医療分野では電子カルテの暗号化にブロックチェーンを活用するケースが出てきています。そのほか、不動産業界や旅行業界なども、積極的にWeb3.0を活用する企業が見られる業界のひとつです。
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Web3.0の活用はさまざまな業界で広がると予想されており、今後GAFAMのような大企業や既存のSNSなどに頼らないWeb3.0関連のプラットフォームビジネスもあらゆる分野で増えるでしょう。
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Web3.0は分散型インターネットと呼ばれる、近年注目を集めている概念です。これによってセキュリティの向上や自由な発信が可能になるなど、さまざまなメリットがあります。
NFTやメタバースなどの技術もWeb3.0を代表するもので、今後さらに多くの業界で活用が進むでしょう。実際に、エンタメ業界以外にも金融業界や医療分野、不動産業界などでもWeb3.0の活用が進んでいます。
これから普及が進むと考えられるWeb3.0は、ビジネスチャンスも大いにあります。特に既存の大企業のサービスに依存しないWeb3.0関連のプラットフォームビジネスは、これから増えていくでしょう。
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