決済代行サービスとは?必要な理由
決済代行とは、複数の決済サービスの契約・運用をまとめて代行するサービスです。ECサイトの決済方法にはクレジットカード決済や銀行振込、コンビニ決済など、さまざまな種類があります。
気軽に支払いできるクレジットカード決済やコンビニ決済が人気ですが、近年ではコロナ禍での外出自粛により、キャリア決済や電子マネー決済などのオンライン決済の需要が高まっています。
ユーザーの利便性を高めて販売機会を逃さないためには、複数の決済方法を導入しなければなりません。しかし、クレジットカード会社をはじめとする決済サービス業者各社と、個別に契約して運用するのは非常に煩雑です。また、自社のECサイト上でクレジットカード決済処理を行う場合、情報漏えいリスクがともないます。
決済代行サービスを活用すれば、決済サービス各社の審査や運用、商品代金回収なども一括で任せられるため、業務の大幅な効率化やセキュリティ対策につながります。
よく使われる決済方法とそれぞれの特徴

ECサイトではユーザーによって異なるニーズに対応するため、複数の決済方法を導入する必要があります。代表的な決済方法は、以下のとおりです。
- クレジットカード決済
- 自動引き落とし
- キャリア決済
- 電子マネー
- ウォレット決済
- コンビニ決済
- QR決済
- 対面での決済
それぞれの特徴を解説します。
1. クレジットカード決済
クレジットカード決済とはユーザーが決済をしてから、後日クレジットカード会社や代行業者を経由してEC事業者に入金される決済方法です。ECサイトにおける決済の約75%(2021年)を占める代表的な決済方法であり、販売機会のロスを防げるメリットがあります。
一方、ユーザーのクレジットカードが第三者に不正利用されてしまった場合は、返金(チャージバック)の必要がある点がデメリットです。頻繁に発生するトラブルではありませんが、EC事業者はあらかじめ、クレジットカード不正利用対策を講じておく必要があります。
参照:総務省「令和3年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」
クレジットカード決済について詳しくはこちら2. 自動引き落とし(定期課金)
自動引き落とし(定期課金)とは、定期購入やオンラインサロンを運営する場合など、毎月の支払いが必要な場合に利用される決済方法です。ユーザーの銀行口座から定期的に料金が自動で引き落とされるので、決済の効率化や長期間の継続的な購入につながる点が自動引き落としのメリットです。
一方、登録された銀行口座の残高が不足していると引き落としが行われないため、料金の回収が遅れたり、回収できなかったりといったトラブルが発生する点はデメリットといえます。また、ユーザーが銀行口座の登録やオンラインでの手続きを面倒に感じることで、購入意欲を喪失するおそれもあります。
定期課金サービスについて詳しくはこちら3. キャリア決済
キャリア決済とは、携帯電話会社への支払いに購入代金を乗せる決済方法です。携帯電話・スマートフォンは10〜20代の若い世代にも普及しているため、クレジットカードをもっていないユーザーも利用しやすい点がメリットです。
携帯電話会社の暗証番号を入力するだけで、本人認証が完了します。手軽に決済できるため、ユーザーの購入意欲を維持したまま決済まで進みやすいこともメリットです。ただし、EC事業者に課される手数料がクレジットカードの1.2~1.5倍と高くつくデメリットもあります。また、携帯電話会社ごとに仕様が異なるため、運用の手間についても検討が必要です。
スマートフォンキャリア決済について詳しくはこちら4. 電子マネー・ウォレット決済
電子マネー・ウォレットとは、購入の前にスマートフォンアプリや電子マネー専用カードなどにお金をチャージして支払う決済方法です。電子マネーにはSuicaやPasmoなどの交通系、nanacoやWaon、楽天Edyといった流通系、QUICPayやiDなどのクレジットカード系があります。
クレジットカードを保有していないユーザーを取り込める点が、電子マネー・ウォレット決済のメリットです。一方で、オートチャージがない場合は事前にチャージした金額までしか使えないため、販売機会をロスしかねないデメリットもあります。
電子マネー決済について詳しくはこちらウォレット決済について詳しくはこちら
5. コンビニ決済(Webコンビニ決済)
コンビニ決済とは、購入後に発行される払込票をユーザーがコンビニに持参して支払う方法です。払込票の代わりにオンラインで発行される払込用番号を利用して支払う場合は、Webコンビニ決済といいます。
クレジットカード払いができないユーザーも取り込める点や、決済確認後の商品発送のため未回収を回避できる点が、コンビニ決済(Webコンビニ決済)のメリットです。一方、購入と同時の決済ではないため、ユーザーの払い込み忘れや遅れが発生しやすいデメリットもあります。
コンビニ決済について詳しくはこちら6. QR決済
QR決済とは、スマートフォンアプリでQRコードを表示して支払う決済方法です。主なQR決済にはPayPayや楽天ペイ、d払い、Amazon Pay、LINE Pay、メルペイなどがあります。
決済方法のバリエーションを増やして、販売機会を逃さない点がQR決済を導入するメリットです。特に、外国人にはQR決済のユーザーが多いため、客層拡大につながります。QR決済のデメリットは、ユーザーの支払いからEC事業者への入金まで時間がかかる点です。
PayPayについて詳しくはこちら7. 対面型の決済
ECサイトにおける対面型決済には、ユーザーの注文後に払込票を送付(またはオンラインで払込番号を表示)して郵便局や銀行から振り込む方法や、代金引換があります。代金引換は、購入した商品の配送時に宅配業者に料金を支払う方法です。
決済方法を多く導入するほどユーザーの利便性が高まり、販売機会を増やせることが対面型の決済を導入するメリットといえます。
郵便局・銀行振込のデメリットは、ユーザーの事情によって振り込みが遅れたり、回収できなかったりするリスクがあることです。また、代金引換にはEC事業者が負担する手数料が高いデメリットがあります。
銀行振込(バーチャル口座)について詳しくはこちら代引き決済について詳しくはこちら
決済方法の選び方
ECサイトに決済方法を導入する際は、商材・サービスとの相性や客層との相性を考慮して選ぶことが重要です。それぞれの観点について以下で解説します。
商材・サービスとの相性
運営するECサイトで扱う商材・サービスのジャンルや、価格帯に合う決済方法を選択すると良いでしょう。たとえば、動画や音楽、電子書籍やゲームといったデジタルコンテンツであれば、クレジットカードの保有率が低い若い層のユーザーでも手軽に利用できるキャリア決済やQR決済などが適しています。
また、物販の場合は商材を確認してから支払いたいと考えるユーザーもいるため、コンビニ決済や対面型決済など後払いの方法が好まれることがあります。ブランド品など高価な商材の場合は、分割払いが可能なクレジットカード決済を希望するユーザーが多いでしょう。
客層との相性で選ぶ
全体的に利用率が最も高いのはクレジットカード決済ですが、ニーズの高い決済方法はユーザーの年齢層や性別によっても異なります。
一般的に10~20代はコンビニ決済やキャリア決済などのニーズが高く、クレジットカード決済のニーズは低めです。また、男性は代金引換、女性は後払い決済を好む傾向があります。主な客層のニーズが高い決済方法を優先的に導入しましょう。
接続方式についても知っておくべき

クレジットカード決済システムの主な接続方式には、以下が挙げられます。
- リンク型
- トークン型
- メールリンク型
- データ転送型
運営するECサイトのニーズにあわせて、適したものを選ぶことが大切です。各接続方式の特徴や選び方について以下で解説します。
1. リンク型
リンク型はECサイトと決済代行サービスを接続し、決済代行サービスの画面に遷移して決済する方式です。オリジナルの決済画面を制作する必要がないため、比較的低コストでスピーディに導入できます。
また、ユーザーのクレジットカード番号はECサイトで扱わず、決済代行サービスに直接送信する方式です。そのため、個人情報を漏えいするリスクを回避できます。
2. トークン型
トークン型は運営するECサイトに独自の決済機能を構築し、サイト内で決済を完結させる方式です。
ユーザーのクレジットカード情報をトークン(別の文字列)に置換することで、EC事業者サーバーに保存・処理・通過させずに決済処理を行います。情報漏えい対策などセキュリティ面を強化したい方におすすめの方式です。また、決済処理の過程で他サイトへ遷移しないため、ブランドイメージを保ちつつ、ECサイトからの離脱を防止できるメリットがあります。
3. メールリンク型
メールリンク型は、メールやSMSなどで決済用URLをユーザーに送信し、決済代行サービスの画面に遷移して決済する方式です。購入するタイミングで代金が未定の場合にも対応できるため、見積もりが必要な商材やオーダーメイド商材、予約販売などの際に便利です。
独自のシステム設定は不要で、ユーザーに注文番号やメールアドレスなどを入力してもらうだけで利用できます。ユーザーのクレジットカード情報は決済代行サービスに直接送信されるため、セキュリティも万全です。
4. データ転送型
データ転送型は、自社で構築したSSL対応サーバーで決済を完結させる方式です。ただし、ユーザーのクレジットカード情報は決済代行サービスに転送するので、情報を自社で扱う必要はありません。
運営するECサイト上に決済機能を搭載して決済を完結できるほか、自社の個性を盛り込んだサイトを作れます。決済処理の過程で他サイトに遷移しないため、ECサイトからの離脱を防げる点がメリットです。注文件数の多い、大規模な会社におすすめの方式です。
決済代行会社を選ぶ際の注意点・ポイント

決済処理をまとめて代行する決済会社は多数あります。そのため、コストや信頼性、カート連携のしやすさなど、さまざまな観点から検討したうえで、自社にあった会社を選ぶ必要があります。各ポイントを確認しましょう。
コストをシミュレーションする
決済代行会社と契約する場合、導入費用とランニングコストがかかります。決済代行会社は複数あり、導入費用は高くてもランニングコストが低いところもあれば、逆のパターンもあります。
そのため、例として3年間にかかる総コストをシミュレーションして比較しましょう。また、決済代行会社が自社サイトに導入しているECシステムに対応しているかどうかも重要です。対応していない場合は別途、開発費用が発生します。なるべく多くの主要ECシステムに対応している、決済代行会社を選ぶと良いでしょう。
GMOイプシロンの月商での料金比較表信頼できる会社を選ぶ
決済代行は、決済処理後の締め日からEC事業者に入金するまで一定の期間を要します。そのため、経営が財務的に安定しており、高い信頼性を保っている決済代行会社を選ぶことが重要です。
くわえて、決済処理上のトラブルなどが発生した場合のユーザー対応など、決済代行会社のサービスの質もチェックしましょう。また、ユーザーのクレジットカード情報を保護するためのセキュリティ対策にどれだけ投資しているか担当者に確認すると、決済代行会社が実施しているセキュリティ対策のレベルも把握できます。
GMOイプシロンのセキュリティについてカート連携のしやすさを確認
カートとは、ECサイト内でユーザーが商品を購入する際に利用するソフトウェアのことです。ECサイトに訪れたユーザーが、商品を買い物カゴに入れて購入手続きをし、決済までの一連の注文処理を担います。
カートの種類は多数ありますが、利用できるカートの種類が多く、使い勝手の良い決済代行会社を選ぶことが大切です。特に、自社ECサイトに導入しているカートと連携できるかどうか、また使い勝手も確認したうえで、決済代行会社を選択するようにしてください。
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ECサイト運営の効率化とセキュリティ対策には、決済代行会社の活用がおすすめです。決済代行会社と契約すれば多数の決済方法を手軽に導入でき、ユーザーのクレジットカード番号や個人情報の漏えいリスクも軽減できます。
決済代行会社は複数ありますが、導入費用とランニングコストを含めて数年単位で必要な費用を計算したうえで、包括的な観点から比較して選びましょう。コスト面だけでなく、決済代行会社の経営状態や信頼性、カート連携のしやすさ、使い勝手なども確認してください。
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