オンライン決済の主な接続方式は4種類

オンライン決済とはクレジットカードや電子マネーなどを用いて、インターネット上で商品代金を支払うことです。そしてオンライン決済をECサイトに導入する際には、接続方式を選ぶ必要があります。
接続方式とは、購入者が支払いの際に利用する決済システムとECサイトを接続する方法のことです。接続方式には4種類あり、それぞれ異なる特徴をもっています。
オンライン決済の接続方式は、ECサイトに導入する決済システムに適したものを選ばなければ使い勝手が悪くなる場合があります。それぞれの接続方式の特徴や、メリット・デメリットを理解したうえで選定しましょう。オンライン決済の主な接続方式は次のとおりです。
- リンク(画面遷移)型
- トークン(JavaScript)型
- データ伝送(API)型
- メールリンク型
それぞれの特徴を解説します。
リンク(画面遷移)型

リンク(画面遷移)型とは決済代行業者の決済画面に、購入者が氏名や連絡先、クレジットカード情報などを入力して決済を進める接続方式です。主な特徴とリンク型オンライン決済を導入するメリット・注意点を解説します。
リンク型オンライン決済の特徴
リンク型オンライン決済は、ECサイトを運営するうえでメリットが多い接続方式です。リンク型オンライン決済は購入手続きの際、自動的に決済業者の決済画面に遷移し、画面に表示される項目に沿って購入者がクレジットカード情報を入力する仕組みです。
リンク型オンライン決済はECサイト側で決済を管理する必要がないため手間が少なく、商品の購入手続きと商品の発送、顧客対応に集中できます。
リンク型オンライン決済のメリット・注意点
リンク型オンライン決済を導入するメリットは、セキュリティ情報を管理する手間とコストを削減できることです。
決済代行業者に決済管理や顧客のセキュリティ情報の管理を任せられるので、ECサイト側でクレジットカード情報を管理する必要がなく情報漏えいのリスクを減らせます。またECサイト側で決済ページを作成する手間もかかりません。
リンク型オンライン決済はSNSやブログにも導入できるため、ECサイトを作成しなくてもインターネット上で商品・サービスを販売できます。
決済画面に遷移する方法として、SNSやブログの投稿ページに直接リンクを貼ったり、決済ボタンを設置したりする方法も可能です。購入者はリンクやボタンを押すだけで決済画面に移動できるため、購入手続きをスムーズに進められます。
ただし決済画面は決済代行業者が運営しているので、ECサイト側でドメインやデザインの変更はできません。場合によっては決済画面のみネットショップのコンセプトと異なるデザインになることや、決済時にドメインが変わることに注意しましょう。
トークン(JavaScript)型

トークン(JavaScript)型とは、購入者のクレジットカード情報を暗号化して決済する接続方式です。どのような特徴やメリット、注意点があるのか見てみましょう。
トークン型オンライン決済の特徴
トークン型オンライン決済は、決済代行業者の決済画面に遷移せずに自社のECサイトの決済ページで決済の手続きを進められる接続方式です。トークン型オンライン決済はJavaScriptを利用することから、JavaScript型と呼ばれることもあります。
トークン型オンライン決済は、購入者がECサイト内の決済ページで入力した情報が決済代行業者に伝送され、サーバーで生成したトークンを使用して決済を行う仕組みです。オンライン決済におけるトークンとは、クレジットカード情報の代わりに生成される文字列を指します。
トークン型オンライン決済では、購入者が入力したクレジットカード情報はECサイトのサーバーを経由しないため、EC事業者は購入者のクレジットカード情報を管理する必要がありません。「決済代行業者の決済画面に遷移せず自社サイト内で決済を完結させたい」「クレジットカード情報をECサイトで保持したくない」というEC事業者におすすめです。
トークン型オンライン決済のメリット・注意点
トークン型オンライン決済のメリットのひとつはセキュリティの高さです。
トークン型オンライン決済では自社のECサイト内にある決済ページを利用しますが、購入者が入力するクレジットカード情報は決済代行業者のサーバーに保管されます。EC事業者は顧客の個人情報を管理する必要がないので、情報漏えいのリスクは低いといえます。
また、リンク型オンライン決済のように決済代行業者の決済画面に遷移せず、自社のECサイト内で決済が完了するため、デザインやドメインが急に変わることがありません。購入手続きから決済まで、自然な流れで画面遷移できます。
ただしトークン型オンライン決済を利用するうえで、いくつか注意点があります。決済代行業者から生成されるトークンには有効期限があるため、期限が切れると決済できません。そのため、トークンの期限切れによるカゴ落ちが発生するリスクがあります。
また自社のECサイト内に独自の決済画面を用意する必要があり、作成の手間もかかります。
データ伝送(API)型

データ伝送(API)型とは、サーバー間で決済データを送受信する接続方式です。API(Application Programming Interface)は、外部サービスとデータをやり取りするための仕組みのことです。
データ伝送型オンライン決済の特徴
データ伝送型オンライン決済では、自社のECサイトに作成した独自の決済ページを利用します。データ伝送型オンライン決済を導入するためには、SSL(Secure Sockets Layer:データ通信を暗号化する技術)に対応したサーバーの準備が必要です。
データ伝送型オンライン決済は、購入者がECサイト内の決済ページに入力したクレジットカード情報がサーバーを通じて決済代行業者に伝送され、決済機関に共有されます。決済機関での決済結果は、代行業者のサーバーを経由してEC事業者に通知されます。
データ伝送型オンライン決済は独自に構築したECサイトを運営する事業者や、自社のECサイト内で注文から決済まで完結させたいEC事業者におすすめです。
データ伝送型オンライン決済のメリット・デメリット
データ伝送型オンライン決済のメリットは画面遷移の回数を減らし、スムーズに決済できることが挙げられます。データ伝送型オンライン決済は代行業者の決済画面に遷移する必要がなく、シンプルに自社ECサイト内で決済を完結できます。
また、ECサイトをカスタマイズしやすいことも、データ伝送型オンライン決済のメリットです。データ伝送型オンライン決済は自社で作成したページで決済処理できるので、独自のドメインや店舗のコンセプトに合わせたデザインを採用できます。
ただしデータ伝送型オンライン決済を導入する場合、PCIDSSに準拠している必要があります。PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とはクレジットカード保有者の情報を守るために、VISA(ビザ)、Master Card(マスターカード)、JCB(ジェーシービー)、American Express(アメリカンエキスプレス)、Diners Club(ダイナースクラブ)の主要クレジットカードブランド5社が策定したセキュリティ基準です。
独自の決済画面を作成する手間だけでなく、十分なセキュリティ対策が必須です。
メールリンク型

メールリンク型とはURLやQRコードを利用した接続方式を指します。メールリンク型オンライン決済の特徴や、導入のメリット・デメリットを見てみましょう。
メールリンク型オンライン決済の特徴
メールリンク型オンライン決済は、決済専用のURLやQRコードから決済代行業者の決済画面にアクセスできる接続方式です。URL・QRコードはメールやSMS(ショートメッセージ)で決済の案内を送信できます。
購入者は「URLをクリックする」「QRコードをスマートフォンで読み込む」だけで決済画面に簡単に遷移できます。決済専用のURLやQRコードを案内するためには、購入者の氏名とメールアドレスまたは携帯番号が必要です。
メールリンク型オンライン決済は、予約販売や見積もりの提示後に決済金額が決まる事業形態に向いています。例えばオーダーメイド商品を販売するEC事業者や、季節商品を取り扱っているEC事業者などが挙げられます。
メールリンク型オンライン決済のメリット・デメリット
メールリンク型オンライン決済を活用するメリットは、手軽に自社のECサイトに導入できることです。
決済代行業者の決済画面にアクセスできるURLやQRコードを購入者に送信するだけで済むため、自社のECサイトに決済ページを作成したり、独自の決済システムを構築したりする手間がかかりません。
メールリンク型オンライン決済は、複数のオンライン決済に対応できます。クレジットカード決済やQRコード決済以外にキャリア決済、銀行振込などが挙げられます。メールリンク型オンライン決済を導入することでさまざまな決済手段を導入できるため、幅広い年代の客層を取り込みやすくなるでしょう。
ただし登録されたメールアドレスの入力ミスや、購入者が迷惑メールの受信設定で自社のドメインを除外していない場合はメールが届かない恐れがあります。購入者にメールが届かない場合はメールの再送依頼や、スマートフォンの受信設定を確認してもらうといった対応が発生します。
オンライン決済の接続方式の選び方

自社のECサイトに合ったオンライン決済の接続方式を選ぶための方法を見てみましょう。オンライン決済の接続方式を選ぶ際に意識したいことは次の3点です。
- 事業形態に合わせて選ぶ
- セキュリティの観点も重要
- 決済システムの構築コストを確認
事業形態に合わせて選ぶ
オンライン決済の接続方式は、決済金額が確定するタイミングやECサイトがあるかどうか、事業規模の大きさなどを考慮して選ぶ必要があります。事業形態に合わせて接続方式を選ばなければ、導入後に使い勝手の悪さを感じる恐れがあります。
例えば、ECサイトを構築せずにSNSやブログで商品・サービスを販売する場合は、ECサイトがなくても導入できる「リンク型オンライン決済」がおすすめです。受注数が多い大規模なEC事業者は、ECサイトと決済代行業者のサーバー間で迅速にやり取りできる「データ伝送(API)型オンライン決済」が向いています。
自社の事業形態に合わせた接続方式を選ぶと決済が円滑に進むため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
セキュリティの観点も重要
セキュリティ面を重視した接続方式を選ぶなら、トークン型やリンク型オンライン決済がおすすめです。クレジットカード決済を導入する場合、顧客のカード番号や個人情報を取得する必要があります。
保持した情報を厳重に管理できなければ、外部に流出するリスクが高まります。情報漏えいは社会的な信用を失う恐れがあるため、セキュリティが高い接続方式を選ぶことが重要です。
オンライン決済の主な接続方式のなかでも、リンク型やトークン型はクレジットカード情報を保持せずに決済ができます。情報漏えいのリスクを減らすなら、効果的な接続方式といえます。
決済システムの構築コストを確認
オンライン決済を導入する際は、決済システムの構築にかかる費用を確認しましょう。例えば、データ伝送(API)型オンライン決済はSSL対応のサーバーを用意する必要があるため、サーバーのレンタル費用が発生します。
また独自の決済システムを構築する場合はシステムの開発費用や構築コストがかかるので、自社のリソースを確認したうえで接続方式を選びましょう。
比較的安価に導入できるおすすめの接続方式は、リンク型オンライン決済です。リンク型は決済ボタンから決済代行業者の決済画面に遷移されるため、決済システムを自社で構築する手間やコストを削減できます。
オンライン決済を簡単に導入する方法

事業形態に合った接続方式が定まったら、実際にECサイトへのオンライン決済の導入を進めましょう。ECサイトに複数の決済手段を導入する場合は、一括で簡単に導入できる決済代行業者の利用がおすすめです。
決済代行業者とは、さまざまな決済機関との契約の代行や決済管理システムを提供する会社です。決済代行業者の利用にはさまざまなメリットがあります。
一般的に、ECサイトにクレジットカード決済や電子マネー決済などの複数の決済手段を導入する場合、各決済機関と個別に契約を交わす必要があります。また決済管理システムも、各決済手段に対応できるように構築しなければなりません。
さまざまな決済手段に対応する決済代行業者を利用すれば、業者がまとめて契約をしてくれるので個別に契約をする手間が省けます。
ECサイト運用においても、決済代行業者を利用することで各社の決済を一括管理できるので、決済関連業務の効率化も可能です。個別に契約する場合は各社において入金サイクルがバラバラになりやすいですが、決済代行業者を利用すれば同じ入金日を指定できるため管理もしやすくなります。
決済代行業者ならGMOイプシロン
オンライン決済の接続方式は主に4つに分けられます。接続方式を選ぶ際は、主に事業形態やセキュリティの高さ、決済システムの構築にかかる費用の3つの観点を意識することが重要です。
4つの接続方式にはそれぞれメリットや注意点があるため、十分検討しましょう。比較的安価なリンク型やセキュリティが高いトークン型のオンライン決済を簡単に導入するなら、GMOイプシロンがおすすめです。
GMOイプシロンは、セキュリティは国際規格のPCIDSSに準拠しているうえ、クレジットカード情報はGMOイプシロンの決済サーバーに保持されるため安心して利用できます。
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