細かいニーズに応え続ける
ネットショップでありたい

有限会社レトロインク
石村 寛之 様


架空だけど実店舗もあります

東京吉祥寺の井の頭公園を抜けて、住宅街の中にあるこぢんまりとしたお店、架空ストア。
扉を開けると所狭しと、個性的な雑貨やアクセサリーがずらりと並んでいた。架空ストアは、雑貨・アクセサリーから、小説・漫画、演劇の戯曲(電子書籍)まで、幅広いジャンルの作家さんが集まり、委託販売を行っている。

もともとはネットショップ一本でやっていたので、実在しない架空のお店であったことから「架空ストア」と名付けたそう。 ネットショップを始めてから10年経った現在、作家さんの間で口コミが広がり、約600人の作家さんが登録している。 今回、お話をお伺いしたのは架空ストアオーナーの石村さん。

ハンドメイド作家さんたちが集まるワケ

「架空ストアに出品する商品について、これといったコンセプトはしっかり決めていないのです。強いて言うならば、何でもOKというのがコンセプトでしょうか。現在作家さんは600名くらい登録していらっしゃるんですけど、特に垣根を作らずに何でも取り扱うようにしています。」

WEBや広告での集客は行わず、口コミやツイッターだけでこれだけの作家さんが集まる架空ストア。一般のハンドメイドプラットフォームは広告宣伝により『若い女性の好むアクセサリー』などイメージが固定されてしまっているものもあるが、架空ストアはそういった『プラットフォームの雰囲気』によらず、作家さんなら誰でも使えるという垣根の無さがひとつの特徴のようだ。

また、選ばれる理由としてもうひとつ大きいのが、作家さんに合わせたきめ細かな対応だ。 『数が少ないのに注文が殺到してしまう作品には、作家さんの任意で抽選機能を付けることができます。 また、作家さんが特定のお客様に確実に商品を販売したい時には、先行販売キーを発行することもできます。こちらも任意の機能ですが、イベントやSNS等で販売の約束をしたお客様に確実に商品が届くので、ご好評をいただいております。』と石村さん。

大量生産の商品と違ってハンドメイドの商品というのは、人のひと手間がかかった、どこか繊細なキメ細やかさがあり、購入者の方もその特別感を求めて購入する。 それを販売するためのショップもまた、作家さんの特別なこだわりを理解し反映しているからこそ、『架空ストア』は愛されるのだろう。
架空ストア




決済について教えてください。

比較的若い女性が好まれるコンビニとPaypal、代引きをご利用されていますが、他にオプションは利用されていますか?
「決済承認通知メールを利用しています。以前は、毎日管理画面を確認して売上を見ていたのですが、どうしても購入者の振り込みを見落すことがあって・・・このサービスを使い始めてからは、そういったことはなくなりました。」

実店舗を一緒に運営していると、ネットショップで注文・入金があったかどうかずっと監視していることは難しいですよね。『決済承認通知メール』は、実店舗をお持ちの方をはじめ、コンビニ前払いなど、決済から入金までにタイムラグのある決済を運用される場合には便利なオプションですね。

今後の展望を教えてください。

「最近はフリマアプリの台頭により、ハンドメイドが盛り上がりを見せています。個人では、販売を断念していた人たちもスマホで簡単に出品できるようになりました。

しかし、便利になった一方で、“自分の作品は大手ハンドメイドプラットフォームの雰囲気に合わないから・・・”と出品を断念する作家さんや、購入者と直接取引をするということに不安を感じる方もいます。

そんな方たちの作品を扱い、大手ハンドメイドプラットフォームでは実現できない繊細なニーズに応えていくこと。これを今後も継続していきたいですね。」
架空ストア

ネットショップをはじめたいと考えている方にメッセージをお願いします。

「便利なサービスはお金を払ってでも使ったほうがいいと思います。配送や、事務作業などは忙しくなると負担になってしまって、本業に専念できなくなってしまいます。

作家さんの強みは『独特の世界観を持つ魅力的なアイテムを作ること。』全部自分でやっていては時間がもったいないです。ネットショップ運営も同じ。使えるサービスは使って、自分はやるべきことに注力するべきだと思います。」
 

おわりに

架空ストア」は、雑貨・アクセサリーから、小説・漫画、演劇の戯曲(電子書籍)まで、幅広いジャンルの作家さんが集まるオンラインストアです。井の頭店という実店舗もありますが、オンラインストアが本店です。作品のご購入はもちろん、作家さんによる作品の登録や販売管理なども全てオンラインで行えます。
架空ストア画面キャプチャ